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スタイルの良さとか
顔なんてものは
後で
どうでも
お金と時間を
かければ
なんとでも
できるわけで


りえさん
毎日
いろんなお客様
呼んですごいですね!

なんて言うキャストを
見て

朝比奈は
入店当初の
自分を重ねた


私は数
ある言葉の中から
一言

"あなた
始めたばかり
じゃない"


まさかあの時
私が苦しんだ言葉を
自分が放つ日が
来るなんて

人生とは
皮肉なものである

プリティウーマンには
ダンスの
上位クラスのみが
入れる
Sチームというものが
存在していて

その昇格試験が
年に一回だけある


朝比奈は
落ち続けていて
2回目の時
だったかな?

当時の試験菅の
1人でもある
代表が

泣きじゃくる
朝比奈に
こう言ったのだった


"ちょっとや
そっと練習して

同じ土俵まで
超えられたら
たまらない

あの子達は
小さい頃から
ダンスを
やってきた
訳であって

あなたはまだ
始めた
ばかりでしょう"



そんな簡単に
入らせられない

みたいな

わたしは
悔しかったし
でも
どうしても
その差を
埋めたかった

当時は
自分に
無いものばかりが
目について
仕方なかったの


あの子は
スタイルがいい

あの子は
アルマンド
ばかり降りる

あの子はすぐ
指名が入る

あの子はいつも
同伴してくる

あの子は

あの子は

あの子は.....




そして
ふと高校生の時
部活の荷物を
全部
まとめて持って
帰ってきた日を
思い出したのだ

母に泣きついて
部活辞める!って
泣き喚いて

それはそれはもう
大きな
赤ちゃん状態で

今では
ちょっと
恥ずかしい
思い出の
一つである笑


どうしても
試合で
勝てない子が居て

悔しくて悔しくて


すると母は
こう言ったのだ


"辞めたければ
お辞めなさい

ただね
その子達だって
最初は
下手くそだったのよ

あなた
2年そこら
始めたばかりで
その子達も
あなたの今みたいな
時期があって
それを
乗り越えて
今があるのよ

最初はみんな
出来ないの

できる子もいるけど
スタート良くて
後からつまづく子

スタートがなかなか
切れなくて
後から伸びる子

さまざまだけど

あなたが
やりたいって
決めた事
なんじゃないの?

お母さんやれなんて
頼んで無いわよ"


って。


次の日には
荷物持ってまた
部活へ行ったなぁ


朝比奈
苦手な事があると
その時の気持ちを
紙に書き
留める癖があって


最初は
愚痴っってても
書いた後は
頭の中が
すっきりして


そしてここからが
1番大切


"逆転の発想"を
描き始めるの

なぜ負けるのか?
多いミスは
なんなのか?


負けるターンが
パターン化
してないか?

何が足りて無いか?

逆に何が強いか?


自己を分析すれば



改善策が
みえてくるはずだ

キャバ嬢の
仕事も
まさにそれで


みんな
適材適所が
存在する

シャンパンが
強い子

卓数が強い子

その差を
卑下するよりも

自分をどれだけ
分析して

強みを知るか

足りないものを
知るか


朝比奈も
坊主と呼ばれる

お茶引き=
来客〇の日

が未だにある


すごい
悔しいし

同時に
自分なんて


と思い
誰かを羨む




同時に思うのだ


誰かからしたら
私も
誰かの
うらやむ対象で
ある
"部分"が
自分が見落として
いるだけで
存在する事に。


これに気づいてからは

生き方が
すごい楽に
なったし

周りの子にも

いいところを
見つけたら
すぐ伝える
ようにしている


気づいてないって
だけで

みんな良さや
強みは存在する

可愛い、
スタイルがいいだけに
とらわれず

もっともっと
自分をじっくり
知ることが
この仕事の
強みであり

悩みを解決する
1番の近道だと
信じている

美しさは
みんなある

それは
みんな違っていい


どこで
点と点が
結ぶかなんて
誰にも
わからないのだから。


朝比奈